城崎温泉ワーケーションのお宿、そして夜
第1回目に書いた「城崎温泉ワーケーション合宿」というのは僕が勝手につけた名前で、正式には「城崎温泉 冬の合宿」という、おそらく。これは合宿のしおりに書かれていたので出典としては間違いないだろう。が、あえて僕は「城崎温泉ワーケーション合宿」と呼びたい。
ワーケーションとは何かについては例えば観光庁が出したPDFファイルに定義がある。この定義から今回の合宿を分類してみると「サテライトオフィス型」と「合宿型」の間のようなスタイルといえそうだ。
個人的にこれはワーケーションであるかどうかという点だと、移動距離によるところも大きいのではないだろうか。例えば千葉県民が「熱海」に感じるバケーション感と静岡県民が「熱海」に感じるバケーション感は大きく異なるように思う。ちなみに僕自身は「熱海」は親戚の家がある場所であり、町内会の旅行で行くようなところなのでバケーション感はそれほど感じない。
しかしながら、城崎温泉ともなると遠い上に所せましと温泉が並ぶ一大バケーション地である、と千葉県民は思う。
この連載は4回の予定である。
- 城崎温泉ワーケーション合宿に参加してきた
- 城崎温泉ワーケーションのお宿、そして夜 (今回)
- 城崎温泉ワーケーションの朝風呂とモーニング
- VisionOS 向けアプリをつくってみる (城崎温泉ワーケーション成果スライド)
第2回目は「城崎温泉ワーケーションのお宿、そして夜」ということで主に宿について語りたい。
城崎温泉は温泉とつくこともあり、町内にはいたるところに旅館がある。しかしながら今回、そして前回も旅館には宿泊していない。城崎温泉には「きのいえ」という一棟貸しのお宿がある。一棟貸しということで、旅館に比べるとかなり好き放題に合宿ができるのが魅力である。
「きのいえ」は2階建ての家屋で、1階には居間とキッチン、本格的な台所がある。居間には大型のテレビと備え付けのスクリーンとプロジェクターがあり、合宿の成果発表には申し分ない設備となっている。無線LANも整備されており、今年は回線の速度が増強されたとのことである程度のオンライン会議もこなせる。
2階は部屋が2つほどあり、それぞれベッドおよび布団がある。今回は8人で宿泊したが、十分すぎる広さであった。トイレは1階と2階にあり、タイミングが重なった場合も安心である。
キッチンには、様々な食器と調理道具、調味料が用意されており、鍋とカセットコンロもある。去年は時期的に「かに」を食することが出来なかったが、今回は「松葉ガニ」の季節であるため、夜は鍋を皆でつくることとなった。
「松葉ガニ」は町中いたるところで買うことができるが「きのいえ」にて買うのであれば歩いて1分もかからない「おけしょう鮮魚」がおすすめだ。
店頭には「松葉ガニ」をはじめ各種魚介類が並ぶと言いたいところだが、あいにく逆に「松葉ガニ」以外はほとんど並んでいない。それでもいくつかの鍋用の魚介類を買うことができた。「松葉ガニ」など購入した魚介類は店頭で鍋用に有料にてさばいてもらうことも出来る。まだ息がある「松葉ガニ」を僕らはきっとどうしていいかわからなくなるはずなので、さばいてもらった。
それにしても、妥当なのかどうかよくわからないが「松葉ガニ」はすごく高い。こういうものなのかもしれないし、観光地価格なのかもしれない。完全体の個体と足がいくつかない個体では値段が違い、後者は「足落ち」という。結局松葉ガニは「足落ち」のものを2匹購入した。
実は「きのいえ」の立地の良い点は、魚屋に近いことだけではなく、鍋に欠かせない豆腐を購入できる豆腐屋が隣にあり近いという点もある。「長谷川豆腐店」という豆腐屋は昔懐かしい水槽に浮いている豆腐を買うことができる。加えて店頭には豆腐ドーナツといったスイーツも並んでいる。難点は朝開店して昼には閉まってしまうというところだ。行きたい人はきちんと開店時間を調べていくのがいいだろう。
8人参加者がいると料理の上手い人が1人くらいはいる。今回も野菜を切るのが上手な人がいて大変助かった。作るのが得意でない人は片付けを頑張ったりしながら、実に美味な鍋を堪能した。
「松葉ガニ」は2匹しか買わなかったと当初思っていたが、鍋は思った以上の量になり、カニの足が最後一本残るほどだった。