よりひろい フロントエンド
Author : Kazuhiro Hara
Author : Kazuhiro Hara
Wed Dec 03 2025

行った気になる XR Kaigi エキスポフォトレポート : AI / 教育・研修編

入り口の様子

XR Kaigi は12月1日から3日まで竹芝にて開催された国内最大規模の XR のイベントである。昨年と同様東京ポートシティ竹芝が会場であり、またこの季節この場所にやってきたという感じだ。

本レポートでは XR Kaigi のエキスポエリアにあてつつ、気になったブースをカテゴリーごとにフォトレポートという感じで紹介していこうと思う。

今回は AI および 教育・研修・訓練関連を中心に紹介をする。個人的な印象になってしまうが、ブースコーナーは昨年よりも元気で、活発なやりとりが行われている印象があった。一見 AI ブームに比べると元気がなさそうに思える XR 業界だが、新しいソリューション、デバイスの登場などトピックもあった。

AI 関連

AI ブームは IT 全体に影響を与えており、当然 XR (VR / AR / MR) にもその波は押し寄せている。会場にある様々なブースでは AI による受け答えというわかりやすいタイプの AI の利用例があり、その他にも裏側では AI による分析処理が行われているといったタイプの展示が数知れずといった感じだった。

AI による受け答えという点でわかりやすかったのは Threedive AI の「オートパイロット接客AI」だ。

オートパイロット接客AIの展示ブース

従来のテキストベースの ChatBot による受け答えも ChatGPT 以降随分進化を遂げたと思うものの、キャラクターが目の前にいるという存在感は大きい。まだこういうタイプの AI システムに遭遇することはあまりないと思うが、例えば AI のモデルバージョンが変わるだけでも親しみやすさが大きく変わるように、リアルなキャラクターがつくとまた印象は変わるのだろうと思う。

また Up-Agent のように公開または内部のデータを AI との対話にてアクセスできるというソリューションも XR と相性がいいタイプと感じた。

Up Agent の展示ブース

2025年の XR 界隈のトレンドのひとつといえる AI グラスに関するソリューションの展示も行われており 3D を利用したものからスマートグラスを利用したものまで様々な展示が行われている印象だった。

AI Glass R&Dのブース

Lenovo のブースには AI Role Play という紹介があり、接客を行うデモの展示があった。そのうち家電量販店にもこういった AI による相談スペースができるのかもしれない。

Lenovoのブース

教育関連

産業系 XR というジャンルでは教育や研修などの用途でのアピールが今のところ多い印象があった。例えば遠隔地における研修をどうするかという問題はアフターコロナ以降の大きな課題だったように思う。

WARK が提供している「XR災害体験アプリセット」では様々な災害をタブレットや AR グラス上で再現して体験することができる。

XR災害体験アプリセットのブース

筆者も火災の体験をしたが、画面にエフェクトがつくことで臨場感のある避難訓練が実現できるかもしれないと思った。なじみのある場所で災害が発生したらどうなるかというアプローチは AR ならではではないかと思う。自治体では様々な避難訓練が開催されているがその中には煙体験というものがあり、結構大掛かりな準備が必要だったりする。こういったソリューションが身近になることで体験の敷居が下がるかもしれない。

タブレットで火災体験を実施したところ

alpha V-Reality のブースではVR実習支援システムということで社員研修などにも使えるシステムの展示があった。東京タワーを舞台にした研修を体験したが、自分のペースで進めることができる点も魅力ではないだろうか。

VR活用実習の画面

また、教育という観点だと Meta for Education のように学校教育への XR デバイスの導入をサポートするツールの展示もあった。没入度合いがタブレットなどとは比べ物にならないため、今後の展開が楽しみである。

Meta for Educationの展示

コンテンツをつくる側への教育という点では、Vtuber などメタバースで活躍する人材の育成カリキュラムを持った高等課程の展示もあり、筆者としてはすごい時代になったなあと感心した。

TSM高等課程の展示

昨年も教育・研修系のソリューションはいろいろとあったが、今年は AI 色が強くなっていたり具体的なケースの想定がされているものが多くなっていると感じた。

EventMeta QuestVision ProXRXREAL

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いろいろやっている自分を一言で表す言葉として「より広いフロントエンド」を思いつきました。このサイトではこの言葉を中心に ウェブ、XR、UI デザイン、バックエンド、インフラストラクチャーやその周辺のことを興味の赴くまま広くディスカバリーしていきます

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