よりひろい フロントエンド
Author : Kazuhiro Hara
Author : Kazuhiro Hara
Thu Jun 12 2025

Even G1 で単色 AR の常時装着にひたる

Even G1 の写真

Even G1 というのは Even Realities が販売している AR グラスだ。普段使いでもいけそうな外観で、ぱっと見 AR グラスに見えない。

Even G1 をネットで見たとき、これは新しいコンセプトのデバイスが出たと思ってすぐに購入ボタンを押した。価格もなかなか安いと思う(円安でなければもっと良いが)

いろいろな XR デバイスがカバーできていない領域

XREAL はグラスタイプという意味では似ているが、バッテリー内蔵型ではない。バッテリー内蔵型ではないということは、使う時に何らかのケーブル接続が必要であるということだ。デバイス自体は軽くていい感じなのだが、個人的にはケーブルの存在が最後の一歩、普段使いにまで至らない要因だったりする。

Meta Quest 3 はケーブルはないものの、いかにも XR デバイス装着感のある見た目となってしまうため、たとえば、装着したままイトーヨーカドーの食品売り場とかに行くのはかなり勇気のいることだと思う。

Vision Pro はいまのところ最高級な体験を与えてくれるものの、ケーブルが出ているし、公共の場所にいるときは特異なスタイルとなってしまうため、外出時にこれでうろうろするところまで自分の中で壁を崩せていない。

さて Even G1 であるが、サイトをみるとわかるとおり、モデルさんがかっこいいということを差し引いてもかなりスタイリッシュであると思う。実際モノを見てみると先セルの部分がバッテリーや操作部なのだろうと思える形状はあるが、それは最低限のふくらみであり、装着後はあまり目立たない。

普通のメガネに近い形状の XR グラスはこれまでもいろいろあったが、ここまで普通のメガネに近い見た目のものはないように思える。もちろんディスプレイがないサウンドオンリーなタイプのデバイスであれば今までもスタイリッシュなものが数多くあったが、ディスプレイ搭載型では Even G1 が突出して普通感のあるデバイスといえるのではないだろうか。

ケースに工夫ありな Even G1

Even G1 を買うと、ケースがついてくる。このケース、単に収納するためだけでなく、バッテリーの充電装置もかねている。使い終わったらケースにしまうだけでいいのだ。

このケースの役割はそれだけではない。初期セットアップ時はペアリングのための装置にもなる。気をつけなければいけない部分は、左側を先に折りたたんでしまう必要があるということだ。それをしないとケースへのおさまりも悪く、充電が思うようにできない。

単色 AR にみる AR これでいいかも感

空間コンピューティングというのは圧倒的だ。そこについては現状 Vision Pro が一歩リードしているのだと思う。しかしながら空間にあってほしい情報は必ずしもリッチな情報だけではない。

例えば買い物に行って両手が塞がった状態で今日の買うものが思い出せない時。こういうときは Even G1 は強い。メモに記載してある情報を見るだけなら手を使わずに表示させることができる。(手を使って表示させることもできるが、それは設定次第)

他にもちょっと地図を確認したい時、ちょっと時間だけ確認したい時、そういう時はちょっと斜め上を見れば情報を確認することができる。

単色でなおかつ表示面積の小さいディスプレイであれば消費電力も少ないはずだ。ネット上のレビューなどを読むと、1日くらいは余裕で持つそうである。

ここは改善してほしい部分

Even G1 の持つポテンシャルは凄まじいものがあると思いつつも、現行のバージョンに不満がないわけではない。それどころか可能性を感じるあまり不満もまたいろいろとある。

まず、もっとデバイスだけでいろいろな操作や設定をいじれるようにしてほしい。Even G1 は専用のスマートフォン用のアプリを起動することで様々な設定を行うことができる。設定できる項目はそこそこ多いものの、スマートフォンをいちいち使うのは面倒だと感じた。

続いて SDK の充実。GitHub 上には公式アカウントが用意している Demo アプリが存在しており、これをフォークしてどうやらオリジナルのアプリを作ることができそうだ。もし可能であれば SDK のようなライブラリを使って独自のアプリを作れるような環境があるとうれしい。

他にも各アクションの割り当てをもっと自由にできるようにしてほしいというのが要望としてある。Even G1 は左右にスクロールをする用のトラックパッド的なもの、そしてタップをするエリアが左右にある。また、タップもシングルタップ、ダブルタップ、トリプルタップを区別することが出来、もしこれらを自由に割り当てることができたら相当な使いやすさになるはずだ。

いろいろ不満もあるが、しかしこれは残念な商品だという意味ではなく、ついに普段使い可能なプロダクトが出たという期待から出たものであり、しばらく外出時も常時装着するという生活をして、もし、グラス型デバイスが一般に広まったらという世界を堪能してみようと思う。

EvenXR

Share

About site

「よりひろいフロントエンド」はじめました

いろいろやっている自分を一言で表す言葉として「より広いフロントエンド」を思いつきました。このサイトではこの言葉を中心に ウェブ、XR、UI デザイン、バックエンド、インフラストラクチャーやその周辺のことを興味の赴くまま広くディスカバリーしていきます

About Me

カンソクインダストリーズのロゴ

「よりひろいフロントエンド」運営元 カンソクインダストリーズ では、フロントエンドを中心によろずご相談お受けいたします。お気軽にお問い合わせください。