「夏のコワーキング」にて Vision Pro ワークショップやってみた
8月の水曜日だけ限定的にオープンするというコワーキングスペースが千葉県の房総半島のちょうど真ん中あたりで開催されている。手ぶらで行くだけではつまらなかろうということで、小ネタとして Vision Pro を持っていった。
房総半島のちょうど真ん中といってもピンとこない人もいるかもしれない。そもそも真ん中あたりということでイメージする場所も人によって異なるだろう。場所は養老渓谷のあたりである。あんまり大っぴらにアナウンスしているという感じでもないので、知っている人は直接聞くといいかもしれない。
主催は昔下北沢オープンソース Cafe をされてた河村さん。もう何年だろう、ずっとお会いしてない人だ。コロナ禍以降とくにそういう人が多くて、最低5年は会ってないなあという人が多い。だから挨拶も当然おひさしぶりですになる。
僕は船橋に住んでいるので、同じ県だからすぐ着くかというとそうではない。五井という駅まで JR で移動したあと、小湊鐡道に乗るのだが、そこからが結構長い。約1時間くらい乗る。とはいえ小湊鐡道に乗ったことがない人であれば手軽に田舎感を味わえるのでぜひおすすめしたい。途中の駅もいい感じのノスタルジーさを持った駅が多い。もちろん無人駅もいっぱいある。
即席に Vision Pro ワークショップをしてみた
Vision Pro をネタ的に持っていったものの、興味を示す人がいなければそのまま持って帰ってこようと思っていたのだが、結構食いつきがよかったので即席にワークショップのようなものをやってみた。といっても準備してあったわけじゃないので、単に体験をしてもらうというだけだけど。
Vision Pro の入門は僕の場合はハッカソン当日にいきなり覚えることになったので、初心者でいた時間はすごく短かった。ということで他の人が何につまづくのかを見るのは勉強になる。大きく分けで以下のポイントでつまづくようだ。
- メガネをかけており、そもそも視力的に画面を見ることが難しい
- ゲストモードで入った場合のキャリブレーションでどうしていいかわからない
- しばらく操作するけど、「指を一緒にタップ」の操作方法がうまくいかない
- 視線によるメニューの項目がうまくできない
- 一部ミラーリングできないコンテンツがあることで案内がむずかしいケースがある
メガネの問題については、もし本格的にワークショップしようと思ったらいくつかのレンズの準備が必要だと思う。現実問題それは難しいかもしれないとも思うが、ワークショップをしている人はこのあたりどうしているのだろう。ぼんやりとしか見えないから体験を途中でやめてしまうという人もいた。なにかうまい方法があれば導入したいと思う。
今回 iPad に Vision Pro の画面をミラーリングする形で体験者の操作をサポートしようとしてたのだけど、Apple TV の 3D ビデオでは、ミラーリングできないだけでなく本体の画面も真っ暗になってしまうということが起きた。おそらく DRM 的な処理なのだと思うけど、最初は原因がわからず真っ暗な画面に字幕だけは出るという状態を体験させることになってしまい、申し訳ないことをした。
その他の3項目は Vision Pro のアプローチが新しすぎるために起きている問題だと思う。例えば Quest 3 なんかはコントローラの存在とか「いい意味で」レガシーなインターフェースを採用していることで、初心者でも親しみやすい。その点 Vision Pro はうまく「つまめ」ずに操作をあきらめてしまうことがあった。これは普及を願うワークショップとしてはネガティブな体験として記憶されてしまうのでそのままだとマイナスのワークショップになってしまうと思った。
おそらく、前段のプレゼンが必要なのだと思う。操作体系を伝える座学の時間があるといいのだと思う。このあたり、ちゃんとワークショップをやっていくうえで必要そうだ。
あと、どんな体験から始まり、ワークショップが進んでいくのかプログラムをきちんと作るというのも必要だと感じた。この順で体験すると、操作にも慣れて、Vision Pro の魅力もわかるという流れがきっとあるはず。そういうサポートをしっかりしたうえでネガティブな評価を Vision Pro に持つのであれば仕方ないと思う。
いろいろな課題がわかっただけでもやった価値があったと思うし、準備が足りていない中でテスト的に参加してもらった人にはありがとうございましたを言いたい。ちょっと考えて第1回目のワークショップを開いてみようと思う。